若い世代の訪問がつづく

 

関東では雨のつづく10月の土曜日、

都内・西武沿線からはるばる女子高校生の訪問を受けました。

 

今年は高校生の方との出会いが多く、

先日も別の高校の文化祭をお手伝いさせていただいたのですが、

そのことがきっかけで、

私もあらためてシードペーパーというモノを考えるよい機会になっています。

 

今日お会いしたMさんは、今年の学校の研究課題のテーマとして

「シードペーパー」を選んだとのこと。

 

「持続可能な社会の実現」を目指し、

「大量にあって不要なモノをシードペーパーにする」という課題に取り組んでいらっしゃいます。

 

具体的には、古紙と種のほかに「あるもの」を混ぜ込むのですが、

これはなかなかよいアイデアですね。

「あるもの」は、彼女のオリジナルアイデアなので公表できませんが、

バナナペーパーなど、その他のエコペーパーのコンセプトにヒントを得たようです。

 

実際に牛乳パックとレタスの種でつくってみて、発芽もさせたとのこと、

その成果も画像で見せていただきました。

 

シードペーパーの今後

 

そして、シードペーパーを生産するうえでの技術的な質問やコツについてお話し、

わからない部分は宿題にさせていただいたあと、

最後の話題は「シードペーパーの今後の展開、発展性」について。

 

まさに、私も近年よく考える課題だったので、

なかなか鋭い質問に居住まいを正さざるを得なかったのですが、

もしかしたら、こういう場が必要だったかもしれません。

 

10年まえの導入以来、日本では数百社に採用いただき、

さまざまなプロジェクトで「環境を考えるきっかけ」になるツール、として

または単に「お花の種」としてご利用いただいてきました。

 

「花が咲く」という特徴に目を奪われがちですが、

もともとは「大量の紙ゴミをなんとかアップサイクルしたい」という

創業者たちの強い思いが根底にあります。

 

ですから、紙に2度、紙としての役割をもたせ、

いつもは捨てられる部分に使われてこそ、

シードペーパーとしての特徴や役割がより光るのでは、と考えます。

 

商品タグ、パッケージ、

そしてDM、ポスター、フライヤー

そういった商業上必ず必要で、でも捨てられてしまうもの。

 

紙の厚みと印刷加工に課題は残るシードペーパーですが、

その点を改良していくことで、

よりよい「古紙」として持続発展させていきたいと考えます。

 

そして、Mさん世代が社会の主力になっていく頃には「持続可能な」社会が実現し、

シードペーパーという素材がコモディティ化し、あたりまえの存在となって

新しい世代に引き継がれていくことを願ってやみません。

 

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